Japanische Klassiker mit Furigana
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ことうのおに
孤島の鬼
江戸川 乱歩
Lesen Sie 孤島の鬼 (ことうのおに) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 181.795 Zeichen · 359 Bildschirme
廃墟みたいな薄暗い邸を想像した丈けでも、何とも云えぬ淋しい様な怖い様な、いやあないやあな感じがする。だが、僕はそこへ帰ろうと思うのだ」
諸戸は重々しい決心の色を浮べて云った。
「今の僕の心持では、そうする外に途がないのだ。この恐ろしい疑いを抱いたまま、じっとしていることは、一日だって出来ない。僕は父親が島へ帰るのを待って、いや、もうとっくに帰っているかも知れないが、父親と会って一か八か極めたいのだ。が、考えても恐ろしい、若し僕の想像が当って、父があの兇悪無残な殺人犯人であったら、アア、僕はどうすればいいのだ。僕は人殺しの子と生れ、人殺しに育てられ、人殺しの金で勉強し、人殺しに建ててもらった家に住んでいるのだ。そうだ、父が犯人と極ったら、僕は自首して出ることを勧めるのだ。どんなことがあったって、父親に打勝って見せる。若しそれが駄目だったら、凡てを滅ぼすのだ。悪業の血を絶やすのだ。傴僂の父親と差し違えて死んでしまえば事が済むのだ。
だが、その前に、して置かねばならぬことがある。系図帳の正統な持主を探すことだ。系図帳の暗号文では、三人もの命が失われているのだから、恐らく莫大な値打があるに相違ない。