Japanische Klassiker mit Furigana
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ことうのおに
孤島の鬼
江戸川 乱歩
Lesen Sie 孤島の鬼 (ことうのおに) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 181.795 Zeichen · 359 Bildschirme
お前さんは知りなさるまいが、諸戸の傴僂夫婦は、人間の姿をした鬼、けだものやぞ」
「そんなにひどい人ですか。何か悪いことでもしているのですかね」
「いやいや、それは聞いて下さるな、同じ島に住んでいる間は、迂闊なことを云おうものなら、我身が危い、あの傴僂さんにかかっては、人間の命は、塵芥やでな。ただ、用心をすることや、旦那方はこれから出世する尊い身体や。こんな離れ島の老人に構って、危い目を見ぬ様に、用心が肝腎やな」
「でも丈五郎さんと道雄さんは親子の間柄だし、私にしても、その道雄さんの友達なんだから、いくら悪い人だと云って、危いということはありますまい」
「いや、それがそうでないのじゃ。現に今から十年ばかり前に、似た様なことがありました。その人も都から遥々諸戸屋敷を尋ねて来た。聞けば丈五郎の従兄弟とかいうことであったが、まだ若い老先の長い身で、可哀想に、見なされ、あの洞穴の側の魔の淵という所へ、死骸になって浮上りました。わしはそれが丈五郎さんの仕業だとは云わぬ。じゃが、その人は諸戸屋敷に逗留していられたのや。屋敷の外へ出たり、舟に乗ったりしたのを見たものは、誰もないのや。