Japanische Klassiker mit Furigana
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ことうのおに
孤島の鬼
江戸川 乱歩
Lesen Sie 孤島の鬼 (ことうのおに) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 181.795 Zeichen · 359 Bildschirme
「アア、僕は救われた。それを聞いては、どんなことがあっても、僕はもう一度地上に出る。そして、丈五郎を責めて、僕の本当の父や母の居所を白状させないではおかぬ」
道雄は俄かに勇み立った。
だが、私は私で、ある不思議な予感に胸をワクワクさせていた。私はそれを徳さんに聞きたださなければならぬ。
「春代さんに二人の女の子があったのだね、初代と緑。その妹の緑の方は、春代さんが家出をした時、丈五郎に奪われたというのだね。数えて見ると、丁度十七になる娘さんだ。その緑はそれからどうしたの。今でも生きているの」
「アア、それを話すのを忘れたっけ」徳さんが答えた。「生きています。だが、可哀想に生きているという丈けで、まともな人間じゃない。生れもつかぬ双生児の片輪にされちまってね」
「オオ、若しやそれが秀ちゃんでは?」
「そうだよ。あの秀ちゃんが緑さんのなれの果ですよ」
何という不思議な因縁であろう。私は初代さんの実の妹に恋していたのだ。私の心持を地下の初代さんは恨むだろうか、それとも、このめぐり合わせは、凡て初代さんの霊の導きであって、彼女は私をこの孤島に渡らせ、蔵の窓の秀ちゃんを見せて、私に一目惚れをさせたのではないだろうか。