Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ことうのおに

孤島の鬼

江戸川 乱歩

Lesen Sie 孤島の鬼 (ことうのおに) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 181.795 Zeichen · 359 Bildschirme

Aozora Bunko

そこで私は相ついで起った不思議な殺人事件の顛末を、私のなき恋人に報告したことであったが、すぐ家へ帰っても寝られぬものだから、私は墓詣りをすませると、町から町を歩き廻って、時間をつぶしたものである。

その間、別段の事変もなかったが、二つ丈け、甚だつまらぬ様な事ではあるが、読者に告げて置かねばならぬ出来事があった。その一つは、二度ばかり、誰かが私の留守中に私の部屋に這入って、机の抽斗や本箱の中の品物を、取乱した形跡のあったことである。私はそんなに几帳面なたちではなかったから、はっきりしたことは云えぬのだが、何となく部屋の中の品物の位置、例えば本箱の棚の書物の並べ方などが、私の部屋を出る時の記憶とは違っている様に思われたのだ。家内の者に尋ねても、誰も私の持物をなぶった覚えはないと云うことであったが、私の部屋は二階にあって、窓の外は、他家の屋根に続いているのだから、誰かが屋根伝いに忍込もうと思えば、全く出来ぬことではないのだ。神経のせいだと打消して見ても、何となく安からぬ思いがするので、若しやと、押入の行李を検べて見たが、例の鼻かけの乃木将軍はその都度別状なく元の所に納まっていた。