Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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まごしちとずんど

孫七とずんど

山本 周五郎

Lesen Sie 孫七とずんど (まごしちとずんど) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.189 Zeichen · 30 Bildschirme

Aozora Bunko

四

まさか馬とは、と呟きながら、寸度はぷんぷんして帰りかけたが、ふとふり返ってどなるように叫んだ、「ついでだから云っとくが、おまえはいつもおれを呼ぶのに石原寸度右衛門という、なあ石原寸度右衛門、やあ石原寸度右衛門、たくさんだ、人の名というものはあまりきちょうめんに呼ぶとかえっておかしくなるものだ、まるでからかわれているような気さえするぞ、これからは名だけ呼べ、いいか孫七」

「むつかしいことを云うじゃないか」孫七は困ったように眼をしばしばさせた、「姓をぬきにして名だけ、……つまりただ寸度右衛門というんだな、寸度右衛門、ずんどえもん、寸度……なんだか谷間で大砲でも射っているようじゃないか」

寸度はなにも云わずにたち去った。

四

腹をたてて帰ったものの、寸度はむしろよけい孫七郎が好きになった。あれだけの娘を見せられても馬のことしか眼につかない、武士なら当然そうあるべきで、怒るほうがまちがっている、やっぱり孫七は孫七だと思った。――よし、こうなればなんとしてでも嫁を持たせなければならん、しかし問題はなかなか容易ではない、なにかうまい手段を考えないとただではうんと云わぬやつだ、なにかこれは必至という策はないかしらん。