Japanische Klassiker mit Furigana
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いえ
家
島崎 藤村
Lesen Sie 家 (いえ) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.411 Zeichen · 285 Bildschirme
と正太は何か思出したように。
「あんな負惜みを言って」
と豊世が笑ったので、お雪も一緒に成って笑った。
豊世は一歩先へ帰った。正太は叔父に随いて二階の楼梯を上った。正太は三吉から受取った手紙の礼を言った後で、
「豊世なぞは解らないから困ります。そりゃ芸者にもいろいろあります。ミズの階級も有ります。しかし、叔父さん、土地で指でも折られる位のものは、そう素人が思うようなものじゃ有りません。あの社会はあの社会で、一種の心意気というものが有ります。それが無ければ、誰が……教育あり品性ある妻を置いて……」
「いえ、僕はネ、君が下宿時代のことを忘れさえしなけりゃ――」
「難有う御座います。あの御守は紙入の中に入れて、こうしてちゃんと持ってます。今日は大に考えました」
こう言って、正太は激昂した眼付をした。彼は、真面目でいるのか、不真面目でいるのか、自分ながら解らないように思った。「とにかく肉的なと言ったら、私は素人の女の方がどの位肉的だか知れないと思います……」こんなことまで叔父に話して、微笑んで見せた。
「正太さん、何故君はそんなに皆なから心配されるのかね」
「どうも……叔父さんにそう聞かれても困ります」