Japanische Klassiker mit Furigana
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ずいひつ よせばやし
寄席囃子 正岡容寄席随筆集
正岡 容
Lesen Sie 寄席囃子 正岡容寄席随筆集 (ずいひつ よせばやし) von 正岡 容 (まさおかいるる) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 112.259 Zeichen · 222 Bildschirme
たいてい一軒に三人ずつのダンサーがいて、茶房正面のカーテンの彼方は、これまた、小奇麗な四畳半が三間ずつ、よくもこんなに器用に心憎くも設計されたものかな。しかも、昔の岡場所のような隣との間の境界が決してお寒いものでなく、薄桃色の照明、黒白の壁、その壁へシークに貼られた洋画女優のブロマイド、同じく壁にかけられている目の醒めるような派手なドレス――朱塗りの鳥籠に青い鸚鵡が一羽いても、決して不調和ではない、幻想的なルームである。
「荷風好みだなあ」
見るなりA氏が感嘆の声を放った。
「荷風先生も浅草へお通いになる以前は、三日にあげず買い物籠を提げては昼間おみえになりましたよ」
原さんが言った。
私は、この部屋の異国風な華やかさに、中国の遊里へ漂流の日本人が遊びに行く「唐茶屋」という落語の景色を思い出していた。
屋内に茶房が軒を並べ、その後に気の利いた寝間までできている点は、三代目小さんの十八番「二階ぞめき」の風景にもまた似ていると思って、一人微笑んだ。「二階ぞめき」は毎晩吉原をぞめいて歩かないと眠れないという息子が、自分の家の二階へ遊女屋のセットをこしらえてもらい、そこを投ケ節を歌いながら上機嫌でほっつき歩くという花街落語中の名作である。