Japanische Klassiker mit Furigana
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ずいひつ よせばやし
寄席囃子 正岡容寄席随筆集
正岡 容
Lesen Sie 寄席囃子 正岡容寄席随筆集 (ずいひつ よせばやし) von 正岡 容 (まさおかいるる) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 112.259 Zeichen · 222 Bildschirme
で、だが、気をつけて見てやるがいい。世の中に福圓遊の百面相ほど、たまらなくやるせないものはない。私はいつも世の中から棄てられた人と相対しているようでひとり涙ぐまずにはいられない。
桝踊り
もう、何年になることか?
桝踊りというものが寄席に出ていた。
春風亭柳仙という小づくりな年よりの男で、かなり、大きな桝を七つ、高座の真ん中へつみあげては、多彩な着つけで現れて、ひょいと身がるにてっぺんへ飛び上がると、※(歌記号、1-3-28)一本めには池の松 と、ふところから限りなき扇子をだしては、「松づくし」のひと手を踊った。
それから、もう一度、どろどろで姿をかくして、今度は写し絵の口上にあるような、大きなでこでこの福助になる。そして牡丹の花の開くように、あやしくいぶかしく踊りぬいた。
なんのただ、それだけの、いわれさえなきいろものではあったけれど、「五変化」「七変化」などという、江戸の所作事を見るように、何か、我ら、少年の日の胸ときめかせたものであった。
それにしてもあの柳仙。
この世を去ってしまってから、もう何年になることか?
いや、それよりも残されていった七つの桝は、今頃どこで、昔の主人を憶っているか?