Japanische Klassiker mit Furigana
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どんぐり
寺田寅彦随筆集 第一巻
寺田 寅彦
Lesen Sie 寺田寅彦随筆集 第一巻 (どんぐり) von 寺田 寅彦 (てらだとらひこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 203.161 Zeichen · 412 Bildschirme
鋏の先を半ば開いた形で、竿の先に縛りつけた。円滑な竹の肌と、ニッケルめっきの鋏の柄とを縛り合わせるのはあまり容易ではなかった。
ぶらぶらする竿の先を、ねらいを定めて虫のほうへ持って行った。そして開いた鋏の刃の間に虫の袋の口に近い所を食い込ませておいてそっと下から突き上げると案外にうまくちぎれるのであった。それでもかなりに強い抵抗のために細長い竿は弓状に曲がる事もあった。幸いに枝を傷つけないで袋だけをむしり取る事ができたのである。
あるものは枝を離れると同時に鋏を離れて落ちて来た。しかしまたあるものは鋏の間に固く食い込んでしまった。始めからおもしろがって見ていた子供らは、落ちて来るのを拾い、鋏にはさまったのをはずしたりした。二人の子が順番でかわるがわる取るのであったが、年上のほうは虫に手をつけるのをいやがって小さなショベルですくってはジャムの空罐へほうり込んでいた。小さい妹のほうはかえって平気で指でつまんで筆入れの箱の上に並べていた。
庭の楓のはあらかた取り尽くして、他の木のもあさって歩いた。結局数えてみたら、大小取り交ぜて四十九個あった。ジャムの空罐一つと筆入れはちょうどいっぱいになった。