Japanische Klassiker mit Furigana
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どんぐり
寺田寅彦随筆集 第一巻
寺田 寅彦
Lesen Sie 寺田寅彦随筆集 第一巻 (どんぐり) von 寺田 寅彦 (てらだとらひこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 203.161 Zeichen · 412 Bildschirme
夜船へ帰って、甲板でリモナーデを飲みながら桟橋を見ていると、そこに立っているアーク燈が妙なチラチラした青い光と煙を出している。それが急にパッと消えると同時に外のアーク燈も皆一度に消えてまっ暗になった。船の陰に横付けになって、清水を積んだ小船が三艘、ポンプで本船へくみ込んでいた。その小船に小さな小さなねこ――ねずみぐらいなねこが一匹いた。海面には赤く光るくらげが二つ三つ浮いていた。
ハース氏夫妻と話していると近くの時計台の鐘がおもしろいメロディーを打つ。あれはロンドンの議事堂の時計を模しているのだとハース氏がいう。西欧の寺院の鐘声というものに関するあらゆる連想が雑然と頭の中に群がって来た。
きのうの夕食に出たミカドアイスクリームというのは少し日本人の気持ちを悪くさせる性質のものではないかとハース氏に言ったら、「そんな事はない、それより毒滅という薬の広告のほうがはるかにドイツ人にわるく当たる」と言って笑った。
四月十四日
夜甲板の椅子によりかかってマンドリンを忍び音に鳴らしている女があった。下の食堂では独唱会があった。
四月十五日
自分らの隣の椅子へ子供づれの夫婦が来た。