Japanische Klassiker mit Furigana
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どんぐり
寺田寅彦随筆集 第一巻
寺田 寅彦
Lesen Sie 寺田寅彦随筆集 第一巻 (どんぐり) von 寺田 寅彦 (てらだとらひこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 203.161 Zeichen · 412 Bildschirme
ノートを控えている他の仲間から、それではあんまりちがうようだがと注意されて読み違えたことに気がつくと、顔をまっかにして非常に恥じておどおどする。
どうも失敬した失敬したと言い訳をする。
なるべく藤野には読ませぬようにしたいとだれも思ったろうが、そういうわけにも行かぬのでやはり順番で読ませる。
すると五回に一度は何かしら間違えてそのたびに非常に恥じて悲しい顔をする。
そしてズボンのひざをかかえていっそう考え込むのである。
こんなふうで二週間もおおかた過ぎ、もう引き上げて帰ろうという少し前であったろう。
一日大雨がふって霧が渦巻き、仕事も何もできないので、みんな小屋にこもって寝ていた時、藤野の手帳が自分のそばに落ちていたのをなんの気なしに取り上げて開いて見たら、山におびただしいりんどうの花が一つしおりにはさんであって、いろんならく書きがしてあった。
中に銀杏がえしの女の頭がいくつもあって、それから Fate という字がいろいろの書体でたくさん書き散らしてあった。
仰向きに寝ていた藤野が起き上がってそれを見ると、青い顔をしたが何も言わなかった。
九 楝の花
一夏、脳が悪くて田舎の親類のやっかいになって一月ぐらい遊んでいた。