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Japanische Klassiker mit Furigana

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からすうりのはなとが

寺田寅彦随筆集 第三巻

寺田 寅彦

Lesen Sie 寺田寅彦随筆集 第三巻 (からすうりのはなとが) von 寺田 寅彦 (てらだとらひこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 213.804 Zeichen · 425 Bildschirme

Aozora Bunko

こんな話を偶然ある軍人にしたら、それはおもしろいことであると言ってその時話して聞かせたところによると、乗馬のけいこをするときに、手綱をかいくる手首の自由な屈撓性を養うために、手首をぐるぐる回転させるだけの動作を繰り返しやらされるそうである。

どうも世の中の事がなんでもかでもみんな手首の問題になって来るような気がするのであった。そう言えばすりこぎでとろろをすっているのなどを見ても、どうもやはり手首の運用で巧拙が別れるような気がする。

ところが、手首にもやはり人によって異なる個性のあるものだという事実をある偶然な機会によって発見した。それは、セロの曲中に出て来る急速なアルペジオをひくのに、弦から弦と弓を手早く移動させるために手首をいろいろな角度に屈曲させる。その練習をしている際に私の先生の手首と自分の手首とでは、手首の曲がる角度の変化の範囲はほぼ同じであるが、しかしその両極端の位置、従ってその平均の位置における角度がかなり著しく違うということに気がついたのである。それで、先生には最も自然で無理のない手首の姿勢が弟子の自分には非常に苦しい、無理な、むしろ不可能に近いものになるのであった。