Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

ちいさなくさとたいよう

小さな草と太陽

小川 未明

Lesen Sie 小さな草と太陽 (ちいさなくさとたいよう) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 2.414 Zeichen · 5 Bildschirme

Aozora Bunko

垣根の内側に、小さな一本の草が芽を出しました。ちょうど、そのときは、春の初めのころでありました。いろいろの花が、日にまし、つぼみがふくらんできて、咲きかけていた時分であります。

垣根の際は、長い冬の間は、ほとんど毎朝のように霜柱が立って、そこの地は凍っていました。寒い、寒い天気の日などは、朝から晩まで、その霜柱が解けずに、ちょうど六方石のように、また塩の結晶したように、美しく光っていることがありました。そのそばに生えている青木の葉が黒ずんで、やはり霜柱のために傷んで葉はだらりと垂れて、力なく下を向いているのでありました。

けれど、春になりますと、いつしか霜柱が立たなくなりました。そして、一時は、ふくれあがって、痛々しそうに見えた土までが、しっとり湿っておちついていました。元気のなかった、憂欝な青木の葉も青い空をながめるように、頭をもたげました。赤い実までがいきいきして、ちょうど、さんごの珠のように、つやつやしく輝いて見えたのです。

そのころのことでありました。垣根の内側に、小さな一本の草が芽を出しました。草は、この世に生まれたけれど、まだ時節が早かったものか、寒くて、寒くて、毎日震えていなければなりませんでした。