Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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こはるのきつね

小春の狐

泉 鏡花

Lesen Sie 小春の狐 (こはるのきつね) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.102 Zeichen · 27 Bildschirme

Aozora Bunko

「ほれ、ほんとうの霜こしを見さっしゃい。これじゃがいの。」

と尻とともに天秤棒を引傾げて、私の目の前に揺り出した。成程違う。

「松露とは、ちょっと、こんなものじゃ。」

と上荷の笊を、一人が敲いて、

「ぼんとして、ぷんと、それ、香しかろ。」

成程違う。

「私が方には、ほりたての芋が残った。旦那が見たら蛸じゃろね。」

「背中を一つ、ぶん撲って進じようか。」

「ばば茸持って、おお穢や。」

「それを食べたら、肥料桶が、早桶になって即死じゃぞの、ぺッぺッぺッ。」

私は茫然とした。

浪路は、と見ると、悄然と身をすぼめて首垂るる。

ああ、きみたち、阿媽、しばらく!……

いかにも、唯今申さるる通り、較べては、玉と石で、まるで違う。が、似て非なるにせよ、毒にせよ。これをさえ手に狩るまでの、ここに連れだつ、この優しい女の心づかいを知ってるか。

――あれから菜畑を縫いながら、更に松山の松の中へ入ったが、山に山を重ね、砂に砂、窪地の谷を渡っても、余りきれいで……たまたま落ちこぼれた松葉のほかには、散敷いた木の葉もなかった。

この浪路が、気をつかい、心を尽した事は言うまでもなかろう。