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Japanische Klassiker mit Furigana

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こはるのきつね

小春の狐

泉 鏡花

Lesen Sie 小春の狐 (こはるのきつね) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.102 Zeichen · 27 Bildschirme

Aozora Bunko

たった三銭――気の毒らしい。

「御免なして。」

と背後から、跫音を立てず静に来て、早や一方は窪地の蘆の、片路の山の根を摺違い、慎ましやかに前へ通る、すり切草履に踵の霜。

「ああ、姉さん。」

私はうっかりと声を掛けた。

三

「――旦那さん、その虫は構うた事には叶いませんわ。――煩うてな……」

もの言もやや打解けて、おくれ毛を撫でながら、

「ほっといてお通りなさいますと、ひとりでに離れます。」

「随分居るね、……これは何と言う虫なんだね。」

「東京には居りませんの。」

「いや、雨上りの日当りには、鉢前などに出はするがね。こんなに居やしないようだ。よくも気をつけはしないけれど、……(しょうじょう)よりもっと小さくって煙のようだね。……またここにも一団になっている。何と言う虫だろう。」

「太郎虫と言いますか、米搗虫と言うんですか、どっちかでございましょう。小さな児が、この虫を見ますとな、旦那さん……」

と、言が途絶えた。

「小さな児が、この虫を見ると?……」

「あの……」

「どうするんです。」

「唄をうとうて囃しますの。」

「何と言って……その唄は?」

「極が悪うございますわ。