Japanische Klassiker mit Furigana
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しょうせつ えんちょう
小説 圓朝
正岡 容
Lesen Sie 小説 圓朝 (しょうせつ えんちょう) von 正岡 容 (まさおかいるる) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 163.270 Zeichen · 325 Bildschirme
にでも話し掛けるよう、己の昨今を報告し、あわせて、芸運長久のほどをひたすら祈ってかえってくるあの心持は別だった。何ともいえずすがすがと楽しかった。
かかさず、忘れず、願にかけてよかった。
その上、毎晩、寄席へゆく前、必ず前の井戸端へ四斗樽を据え、素ッ裸になってその水を浴びた。昼席に勉強にいっていても、必ずいっぺん家へ帰ってきて、水ごりをとらなければ、決して寄席へはでかけてゆかなかった。かえってくると、また、水を浴びた。
そうして、
「私が芸上達なさしめ給え。何とぞ一日も早く真打たらしめ給え。どうか……どうか……初代さまお願いで……」
夢中でこう祈るのだった。
心だにまことの道にかないなば、祈らずとても神や守らん。ましてや、かくも一心不乱に祈りつづけている圓朝。神の加護なき謂れがなかった。
それほどの意気込で勉強するからだろう、他の人の二つおぼえられる噺が三つ、三つおぼえられる噺が四つ、あとからあとから面白いように新しい噺がおぼえられてきた。そうしてそこにうそのように五十という落語の数が、僅かの間に圓朝の頭の中に収められてしまった。
かなりの真打でも十五か二十の噺しかしらないものの多かったそのころ、まだ三つ目にも覚つかない圓朝が、噺五十。