Japanische Klassiker mit Furigana
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しょうせつ えんちょう
小説 圓朝
正岡 容
Lesen Sie 小説 圓朝 (しょうせつ えんちょう) von 正岡 容 (まさおかいるる) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 163.270 Zeichen · 325 Bildschirme
をようやく手に入れて貪るように読み耽っていた圓朝はめっきり大人びて憂いを帯びてきた目を上げて、たしなめた。
「お前はんでいいよ師匠、お前はんの方が花魁らしくて」
大真面目な顔をして萬朝がいった。
「お前のような汚い花魁がありますかえ」
呆れて圓朝は笑いだしてしまったが、
「して何だえ、その大変とは」
「小勇の奴がねえ、師匠、お前はん」
「また始めやがった」
「口癖になってんだ、咎めねえでおくんなさいよ、いちいち」
「よしよしフムそれで」
「それで、ア、その小勇だ、あのほれこの間師匠がここの家へ引越してきて間もなく小言をいったらフイといなくなっちまったろう、あン畜生、小勇」
「うん」
圓朝は肯いた。それは萬朝のいう通りだった。目に見えて陰日向がひどくなったから越してきた日に初めてミッチリと油を絞ってやったら、不貞腐れてすぐその晩のうち、小勇は飛びだしていってしまったのだった。でもその小勇がどうしたというのだろう。
「ト、とんでもねえ野郎だ、いっちまったらしいんだあの野郎」
「だからどこへさ」
また訊ねた。
「あすこ」
無恰好な指を差して萬朝は、
「あすこだよホラ」
「あすこじゃ分らない」