Japanische Klassiker mit Furigana
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しょうせつ えんちょう
小説 圓朝
正岡 容
Lesen Sie 小説 圓朝 (しょうせつ えんちょう) von 正岡 容 (まさおかいるる) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 163.270 Zeichen · 325 Bildschirme
浪江の横腹をひと抉り抉ったのである。
いまのいままで迎い火焚きながら物語っていたというところだけに、五つの真与太郎にしても錆刀で相手に斬り付けていくことが何だか自然におもわれるではないか。いわんや「後で誰かが手を持ち添えて」くれるようであるというにおいてや。
田舎家で天井が低く、浪江の刀が鴨居へ。そこへ仏壇の香炉をぶつけたというのもいかにも亡魂の指図らしく、そのあと樫の木の心張棒という、万事万端無理のない小道具や段取りがいかにこのひとつ間違ったらあり得べからざるとおもわせるような奇蹟をほんとうのものとしているかよ、である。
極めて点の辛い立場から私は重信殺し前後のみを「怪談乳房榎」中の採るべき箇所といったけれど、最後に至るまでの各章も決して「江島屋」のような破綻は毫も示していないのであるばかりでなく、「怪談乳房榎」は圓朝全作中での、かなり高く買われていいものということをすら述べて置こう。
最後にこの「怪談乳房榎」の挿絵、圓朝とは國芳門下の同門である落合芳幾が描いている。真与太郎に添乳しているおきせの寝姿の艶かしさなど、夏の夜の美女の魅惑を描いてよほどの作品ではないのだろうか。