Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しょうねんのひのひあい

少年の日の悲哀

小川 未明

Lesen Sie 少年の日の悲哀 (しょうねんのひのひあい) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.186 Zeichen · 9 Bildschirme

Aozora Bunko

けれど、三郎は猫をいじめたことがありませんでした。それは猫の性質だから、しかたがないと思ったのです。

けれど、そのおばあさんは、いじの悪いおばあさんでした。ボンがお勝手もとへゆくと、なんにもしないのに水をかけたり、手でぶつまねをしたり、あるときは小石を拾って投げつけたりしました。そして、夜が明けると、ばあさんは勝手もとの戸を開けて、外に出ると、

「ほんとうにしかたのない犬だ。こんなところに糞をして、あんな犬ってありゃしない。」

と大きな声で、さもこちらに聞こえるようにどなるのであります。

ほんとうにこのおばあさんは、自分かってなおばあさんでした。自分の家の猫が、近所の家へいって魚をくわえてきたのを見ても知らぬ顔をしていました。そんなときは、

「こう、こう、こう、みいや、家へ入っておいで。」

といって、猫を家の中へ入れて、戸を閉めてしまいます。

三郎は、かわいがっているボンが、ばあさんのために小石を投げられたり水を頭からかけられたりしてきますと、今度、ばあさん家の猫がきたら、うんといじめてやろうと思いました。しかし、猫がやってきますと、いつも三郎がその猫をかわいがっているものですから、すこしもおそれず、すぐに三郎のそばに、なきながらすりよってくるのでした。