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Japanische Klassiker mit Furigana

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あきかぜとはは

尾崎士郎短篇集

尾崎 士郎

Lesen Sie 尾崎士郎短篇集 (あきかぜとはは) von 尾崎 士郎 (おざきしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 108.032 Zeichen · 216 Bildschirme

Aozora Bunko

その月の学資は疾くに母の名前によって送られて来ているので、その封書が書留であるということが何か重大な内容を含んでいるという気がしたのだ。

封筒の中には郵便局の罫紙に書いた兄の手紙と、五、六枚の同じ罫紙を帳面のように綴り合せたものが入っていた。

前略。去年の秋から身体が非常に悪くなった。近頃妙に自分の運命にたよりなさを感ずる。こんなことを書くのは病気のためだと思ってくれてもいい。俺は何時ひょっこり死ぬかも知れないという気がしてならないのだ。そのために一週間ばかりかかって家の財産目録をつくりあげておいた。これをお前の手許に送って置く。俺が若し死んだら、何卒これだけのものを一ト月経たないうちに処分して貰いたい。一日も早い方がいい。家も土地もすべてお前の名儀にしておいた。いくら安くてもいいから出来るだけ早く売って金に代えて貰いたい。母と春代(嫂の名)との生活は呉々もよろしく頼む。若し春代が再婚を望むようなことがあったら家を売った金だけをやって自由にさせてくれ、いずれもっと詳しい手紙を書くときがあると思うが、これだけは必ず承知していて貰いたい。云々。――

財産目録の中には父の代から伝わっていた書画骨董の類が微細に亘って部類分けに書いてあった。