Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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やまとゆきのにっき

山と雪の日記

板倉 勝宣

Lesen Sie 山と雪の日記 (やまとゆきのにっき) von 板倉 勝宣 (いたくらかつのぶ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 32.279 Zeichen · 67 Bildschirme

Aozora Bunko

小十は勇ましく崖を登って木をきりだした。行手には明日越えるはずの常念乗越が見える。谷川の両岸は雪がうねりをなして、水は雪に段をつけて下におりねば見えない。危ない足取りで雪に段をつけて水を汲みに行くと、どの岩もどの岩も雪がもくもくと積って、岩の肌さえ見えているのは少ない。雪の中から、チョロチョロと、水が流れ出てくる。水を汲んで見上げると、乗越には雪が波の崩れのようにかぶさっていた。この静けさの中に俗なものは皆洗われて行くような気持ちになった。天幕は持参の油紙で雪を平にした上に張った。雪の上には青葉をしき、その上に毛皮をならべた。日はようやく落ちて、雪がコチコチに固くなって行くと、一時にあたりは淋しくなった。大きな焚火が天幕の傍で、ボーボーと雪の谷に音をたてて燃えた。赤い火は雪に穴をあけながら案内の顔を照らし、天幕を暗にうす赤く浮かし出した。自分らはすっかり防寒の用意をして、毛皮の上に寝た。手の下には、青葉の下に石のように凍った雪が白く見えた。静かだなあと思いながら手袋を二枚もはめた。どのくらい寝たのか膝が馬鹿に冷いので目が覚めた。天幕にスキーの影がうつっていた。