Japanische Klassiker mit Furigana
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やまとゆきのにっき
山と雪の日記
板倉 勝宣
Lesen Sie 山と雪の日記 (やまとゆきのにっき) von 板倉 勝宣 (いたくらかつのぶ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 32.279 Zeichen · 67 Bildschirme
土の色などは見たくても見られない。純白な雪があるばかりだ。この二日で土の色は忘れてしまってどこへ倒れても決してよごれない。雪が親しい友達のように思えてきた。この原からはことに連山がよく見える。あらゆる自然の醜なるものをおおったものは雪の天地である。頭上には、広い天がある。眼にうつるものは雪の山々である。マッチ箱のような人間の家が軒と軒とをくっつけてくしゃくしゃにかたまった胸の悪い光景も、紙屑によごれた往来も、臭い自動車もそんなものは影も形もなく消えうせている。夜中のような静けさの中に人間の浮薄をいましめる雪の荘厳がひしひしと迫る。机の上の空論と屁理窟とを木葉微塵にうちくだく大いなる力がこの雪をもって虚偽を悟れと叫んでいる。虚偽を洗えと教えている。小池が雪の中に倒れて荘厳な雪の匂いがあると盛んに主張した。ほんとの真面目を教える匂いである。人間の本性を示す匂いである。雪の匂いをかぎうる人は確かに幸いだ。棒のように倒れても雪の匂いをかげばちっとも損にならない。この原をさきへ行くといい傾斜がある。一線のスキーの跡もないところを滑って行くのは愉快である。とめどもなく滑るような気がする。