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Japanische Klassiker mit Furigana

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ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ)

山の憶い出 上

木暮 理太郎

Lesen Sie 山の憶い出 上 (ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ)) von 木暮 理太郎 (こぐれりたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 284.014 Zeichen · 565 Bildschirme

Aozora Bunko

そして峠のすぐ下に一杯水という冷たい泉のあることや、小屋の骨組のあることを話して、もう幾町も離れていないから其処へ行って泊る方がよかろうと付け加える。早速其言葉に従って一緒に登り初める。疲れている上に急なので骨の折れること甚しい。南日君はとうとう一緒に登って行ったが、私は後に残されて仕舞った。少し登ると木立が途切れて左手に美しい青草の斜面が現れる。落葉松の大木が三々五々、矗々天を突いて雲の中にぽうっと滲み込んでいる。夢のような景色だ。好いなと目が云う。ほんとに好いなと直ぐ足が賛成して立ち停る。五町程登ると右に折れて道が少し平になる。其処に針葉樹の一叢茂った中から清冷な水が湧き出している。二十間ばかり東に離れて山腹を切り取った一坪位の平に均された所に、栂の枝で造った至て無造作な猟師の鳥屋のようなものが立っていた。一緒に来た二人は今から栃本迄下るのだというて、私達が夕食の仕度をしている間に清水の傍で弁当をつかって、御大事にといいながら別れて行く。もう六時を過ぎている。あの人達は四里の峠路を而も夜になるのを承知で、隣村へでも行くように気が軽いのは羨しい、などと話しながら温い食事を始める。