Japanische Klassiker mit Furigana
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ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ)
山の憶い出 上
木暮 理太郎
Lesen Sie 山の憶い出 上 (ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ)) von 木暮 理太郎 (こぐれりたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 284.014 Zeichen · 565 Bildschirme
に恙なし、此の如きの壮遊之を再びすべからず、憶うて是に至れば意気自ら千秋。
この紀行は未完成の儘にこれで終っている、前の「駒ヶ岳の記」に続けて雑誌に載せる積りで書き始めたものを、何かの都合で中止したものらしい、推敲を要する個所が少なくないのは当然である。
頂上に着いたのは四時頃であった。普通刀利権現から二時間の登りであるが、殆ど倍近く要している。測量の櫓は四本の柱がばらばらになって風に揺れながら霧の中に立っていた。左に廻ると小屋らしいものが目に入る、訝りながら近寄ると果して小屋であった、四尺程の高さに石を積み重ねて三方を囲い、東の一方が出入口で、勿論戸は閉まっていた。戸台では何の話もなかったが、測量の人達が泊っているに相違あるまい。野宿を覚悟していた私は、急に懐しくなって軽く戸を敲き、
「どなたかおいでになりますか、済みませんが今夜泊めて頂けないでしょうか、食べ物は持っているんですが」
と声をかけた、すると稍せき込んだ調子で、
「いかんいかん、ここは人を泊める所じゃない、一里半下れば小屋がある、さっきも一人下って行った、急げば間に合うから小屋に行きなさい」