Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ)
山の憶い出 上
木暮 理太郎
Lesen Sie 山の憶い出 上 (ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ)) von 木暮 理太郎 (こぐれりたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 284.014 Zeichen · 565 Bildschirme
御山谷は残雪は少ないが、草地続きで偃松の丈も低く、開豁で歩きよい。今日は途中待望の岳蕨を採集し、中ノ谷で昼飯の際に味噌汁の実として飽まで賞味した。谷の下手には純ピラミッド形の針木岳が全容を露し、上手には五色ヶ原から流れ落ちる水が数条の瀑布をかけ連ねている。刈安峠を踰えブナ坂を下り、平の小屋へは立ち寄らずに、越中沢(ヌクイ谷)を徒渉して黒部川の河原に出で、十五分許り休憩した。
この河原に立って四方を見廻した時、真先に最も強く感じたことは、「青いなア」という感じであった。蒼潤の二字で代表されるあたりの景色は、山上の旅に過労を余儀なくされた視神経をどれほど喜ばしたことであったろう。この附近には又楊の大木が多く、並木状をなして川べりに生えている。時折西北の風が爽に吹き下ろして来ると、枝や葉が一斉に靡いて、其間から無数の柳絮が真白な綿をちぎって飛ばすように、ふわりふわりと飛んで行く、まるで牡丹雪が降っているようだ。それがまた一しおの風情を添えた。
これから東沢の合流点まで黒部川を遡行した。主として左岸の水際を辿ったのであるが、二個所ばかり崖の上を廻らなければならなかった。