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Japanische Klassiker mit Furigana

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ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ)

山の憶い出 上

木暮 理太郎

Lesen Sie 山の憶い出 上 (ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ)) von 木暮 理太郎 (こぐれりたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 284.014 Zeichen · 565 Bildschirme

Aozora Bunko

少し戻って右に下る路の側の木の根に腰を掛けて昼飯をすまし、此処で案内人を返した。

此山の頂上附近は、一面に霧藻の垂れ下った五葉松や、ひねっこびた栂が多い。房吉の話によると年の暮には東京から植木屋が来て、松の枝や梢を切り取って、荷造りして運び出すそうだ。「東京の人ってええ気なもんだ、根もない枝を鉢に植えてさ、それで買手があるちうからうまい商売が出来るなア」。植木屋に戯談でも聞かされたらしい。正月の生花に使うのだと話してやったら漸く納得した。

二つの石像を左に見て一町も下ると又石像が立っている。察するに登山の盛んであった頃には、一町毎に立ててあったものらしい。中には何町目なぞと記してあるものがあった。此処から四町ばかりの間が最も路の急な所で、岩壁の横を搦むことも一、二度あった。頂上附近は石灰岩らしかったが、この岩壁は硅岩ではないかと思った。

間もなく一の鞍部に達した。路が左右に分れる。右は白井差に下るものであろう。左に折れて岩壁に沿いながら、うねりうねって七、八町も下ると初めて少し水のある沢に出た。地図には不動滝と記してあるが、岩の上に不動の像がある許りで一向滝らしくもない。