Japanische Klassiker mit Furigana
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あずさがわのじょうりゅう
山岳紀行文集 日本アルプス
小島 烏水
Lesen Sie 山岳紀行文集 日本アルプス (あずさがわのじょうりゅう) von 小島 烏水 (こじまうすい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 138.795 Zeichen · 274 Bildschirme
東へ方向を取って、また北へと折れる、右にも左にも、雪田がある、ここから近く見た間の岳は、破れた石を以て、肉としている、おそらくその石を悉く除けば、間の岳は零になるであろう、その石だ、老人の皺のように山の膚に筋を漲らせているのも、古衣の襞のように、スレスレに切れたり、ボロボロに崩れたりしているのも、この石だ、それを針線のように、偃松が幾箇処も縫っている。
急峻な登りを行く、雲は赤石山を包み隠して、西南にその連嶺の西河内岳の一角を現わした、さすがに富士山のみは、深くまつわる山を踏み踰えて、ひとり高く半天に立っている。
石の急壁を登りかけていると、雷鳥が一羽、ちょこちょこと前を歩いている、晃平が、狙いをつけて一発放したが、禽は横に逸れて、截られた羽が、動揺した空気に白く舞った、一行手取りにするつもりで、暫く追いかけて見たが、掌中の物にはならなかった。
疲労の足を引き擦って、石壁の上に登りついたとき、眼は先ず晶々粲々として、碧空に輝きわたる大雪田、海抜三千百八十九米突の高頂から放射して、細胞のような小粒の雪が、半ば結晶し、半ば融けて、大気を含んだ、透明の泡が、岩の影に紫色を翳しているのに、眩ゆくなるばかりに駭いた、南方八月の雪! 白峰をして白からしめた雪! 我ら一行の手は、初めてこの秘められたる、白い肌に触れ