Japanische Klassiker mit Furigana
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あずさがわのじょうりゅう
山岳紀行文集 日本アルプス
小島 烏水
Lesen Sie 山岳紀行文集 日本アルプス (あずさがわのじょうりゅう) von 小島 烏水 (こじまうすい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 138.795 Zeichen · 274 Bildschirme
山中の空気を透して、針のように鋭くチラチラする。
橋を渡って、竹籔の中を、しゃにむに押し分け、梓川の水面を見ながら、森の中を三、四町往ったかとおもうと、温泉宿の火光がちらりと見えた、嘉代吉が「オーイ」と呼んで見たが、返辞は更にない。
神河内
私の室として与えられたのは、この温泉宿の二階の取っ附きで、一体が大きな材木を使ってある割合には、粗雑な普請で、天井も張ってなければ、壁などは無論塗ってなく、板の壁には、新聞紙がベタベタ張りつけてある、床の間には印刷した文晁の鹿の幅などが、なまじいに懸けてあるのが、山の宿としては、不調和であるが、それでもこの室だけは、一番上等の間だと見えて、赤い毛布を布いて、客間然とさせてある。
障子を開けて、椽側に出ると、眼の下がすぐ湯殿で、幅濶の階子段を下りると、板をかけ渡して湯殿へ交通が出来るようになっている、その湯殿の入口に、古ぼけた暖簾を懸けてあるのが、何だか宿場の銭湯をおもい出す、この湯殿の側には小池が二つ連なって、山から落ちた大石が池の中にはまり込んでいる、そうして水底から翡翠のような藻草や、海苔のようにベタベタした