Japanische Klassiker mit Furigana
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あずさがわのじょうりゅう
山岳紀行文集 日本アルプス
小島 烏水
Lesen Sie 山岳紀行文集 日本アルプス (あずさがわのじょうりゅう) von 小島 烏水 (こじまうすい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 138.795 Zeichen · 274 Bildschirme
山の尾根が、最初に白んで、光線が山の頭をうっすりと撫でたかとおもうと、対岸の川楊の頭が、二、三寸だけ、陽炎でも燃え立つように、ちょろりと光る、瞬く間に川に向っている私の室は、朝日が一杯にさしこんで、夕日のように、赤々とまぶしくなる、そのうちに東の山々は、晃々としてさし昇る日輪の強い光に、ぼい消されて、空が赫とする、もう仰いでいると、眼のまわりが、ぼやけてしまって、空だか山だか、白金のように混沌として分らない、霞沢岳や八右衛門岳は、その反射を受けて、岩塊が鮮やかに白くなるが、あまりに垂直なる岩壁の森林は、未だ暗黒で、幾分の夜の残りが漂っているようである、そうして梓川の大動脈を間に挟んで、霞沢岳は穂高岳とさし向いになっている、両方の山とも、鋸の歯のような岩壁を天外にうねらせて、胸部の深い裂け目から、岩石の大腸を露出しているのが、すごくもあるが、この両方の大岳には、五、六月頃になると、山桜や躑躅が、一度に咲いて紅白綯い交ぜの幔幕を、山の峡間に張るそうである、それよりも美しいのは、九月の末から十月の半ごろにかけてである、秋とはいえ、霧は殆んどなく、その頃になると、霞沢岳は、裾がまだ緑であるのに、中腹はモミジで紅く燃える