Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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あずさがわのじょうりゅう

山岳紀行文集 日本アルプス

小島 烏水

Lesen Sie 山岳紀行文集 日本アルプス (あずさがわのじょうりゅう) von 小島 烏水 (こじまうすい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 138.795 Zeichen · 274 Bildschirme

Aozora Bunko

この辺の人が、セント・ジョルジ・ギルドの人たちのように、糸車を挽いて、木綿を手織って衣ているかどうかを知らないが、風呂の水も、雑用の水も、熔岩の下から湧く渓河から汲み上げて、富士の高根の雪解の水と雨水との恩恵の下に、等分に生きていることを思うと、富士の裾野の水々しさに、一倍の意義があると思われる。しかもその水車風景は、コンスターブルの油絵で見たものとは遠く、小林清親が水彩画から新工夫をして描き上げた、富士を背景とした静岡竜宝山の水車風景の版画(明治十三年版)の方が、ぴたりと胸に来た。

車中の一行は、明朝の登山を控えて、「この雲では山は雨かな」と心配すれば、「なあに、雲は低いですよ、すっぽり抜けると、上はカラカラの上天気ですよ」などといい合った。汽車は電燈のちらつくころ、富士駅に着いた。朝日支局の大山為嗣さんに迎えられて、大宮まで自動車を走らせた。

三 大宮と吉田

東から南へと、富士を四分の一ばかりめぐっても、水々しい裾野はついて廻った。大宮町への道も、玉を転がす里の小川に沿うてゆく、耳から眼から、涼しい風が吹き抜ける。その水は、御手洗川であった。