Japanische Klassiker mit Furigana
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あずさがわのじょうりゅう
山岳紀行文集 日本アルプス
小島 烏水
Lesen Sie 山岳紀行文集 日本アルプス (あずさがわのじょうりゅう) von 小島 烏水 (こじまうすい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 138.795 Zeichen · 274 Bildschirme
それも、横に曲りくねった、普通平地で見るような石楠花でなく、白花石楠花である。高さは一丈以上に達したのも珍しくない。つばきの葉を見るような、厚い革質のくすんだ光沢があって、先端の丸い、細長い楕円形の葉を群がらしている。その裏返しになったところは、白蝋を塗ったようで、赤児の頬の柔か味がある。美しいのはその花弁だ。白花という名を冠らせるくらいだから白くはあるが、花冠の脊には、岩魚の皮膚のような、薄紅の曇りが潮し、花柱を取り巻いた五裂した花冠が、十個の雄蕊を抱き合うようにして漏斗の鉢のように開いている。しかもその花は、一つのこずえの尖端に、十数個から二十ぐらい、鈴生りに群って、波頭のせり上るように、噴水のたぎるように、おどっているところは、一個大湊合の自然の花束とも見られよう、その花盛りの中に、どうかすると、北向きに固く結んだつぼみが見える。つぼみと、それを包む薹とは、赤と白とを市松格子形に互層にして、御供物の菓子のように盛り上っている。花として美しく開くものは、つぼみとしてまず麗わしく装わねばならなかった。私は平原の草野において、山百合の花を愛し、深山の灌木において、もっとも白花石楠花を愛する。