Japanische Klassiker mit Furigana
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あずさがわのじょうりゅう
山岳紀行文集 日本アルプス
小島 烏水
Lesen Sie 山岳紀行文集 日本アルプス (あずさがわのじょうりゅう) von 小島 烏水 (こじまうすい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 138.795 Zeichen · 274 Bildschirme
三
次に、高山の氷雪が、如何ばかりの造山力を有するかを語ろう。人は山頂の雪を、千古不滅と形容する。富士山には消えないという意味の「万年雪」の名がある。欧洲アルプス地方では、仏蘭西語のネヴェ N※(アキュートアクセント付きE小文字)v※(アキュートアクセント付きE小文字) を、万年雪というところに用いている、厳格にいうとネヴェとは、雪線以上の氷河地方にある不滅の雪で、グレシア(Glacier 普通「氷河」と訳す)とは、雪線以下の氷河地方に限られたもののようであるが、日本の山岳地には、雪線も、氷河もないために、ネヴェという語を、固まった半雪半氷状態の万年雪に擬している、しかし単に状態の上から宛て嵌めた名とすれば、さしたる不都合はなかろうと思われる。しかし地熱の反射から、雪は次第に下から溶解し、上からは新しいのが供給されるから、一見不滅のようでも、それは絶えず新陳代謝しているので、山峰や山稜の上に雪が積ってはまた積り、それが千年も万年も経つとしたら、早い話が、一年に雪が三尺ずつ積れば、五千年で一万五千尺になる計算で、山の上には遥かに高大なる雪の山が出来て、地上の湿分は永久に、山上に閉鎖されて、下界は乾燥になるわけである。