Japanische Klassiker mit Furigana
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あずさがわのじょうりゅう
山岳紀行文集 日本アルプス
小島 烏水
Lesen Sie 山岳紀行文集 日本アルプス (あずさがわのじょうりゅう) von 小島 烏水 (こじまうすい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 138.795 Zeichen · 274 Bildschirme
学生が、浅間山を写生していた、すると今まで静かに茶褐色の天鵞絨に包まれて、寝ていたかと思われる浅間山が、出し抜けに起き出してでも来るように、ドンドンと物を抛げ出す響きにつれて、紫陽花の大弁を、累ねて打っ違えたような、むくむくと鱗形をした硫煙が、火孔から天に冲したかとおもうと、山体は渋面をつくって、むせッぽい鼠色に変化した、スケッチをしていた人は、この瞬間とも刹那とも言いようのない、迅速な変化に、呆れ返って、写生の手を丸ッきり休めてしまった、そうしてひょいと私と顔を見合せて、両方で決まりの悪いような、話の解ったような、微笑を交換した、瞬間の変化は晴れた空のおとなしい光線にもあるが、このような、あわただしく、激しい変化が、液体なら知らず、固体のどこにあろうか。
まことに火山ぐらい、神経の尖って、感受性の鋭敏なものは、無機物殊に固体の中では、見出されまいかとおもう、たとえば物に感触しやすい人々の皮膚の下に、青白い筋が立ったり、顔色がすぐ変ったりするように、火山の皮膚も、柔かい砂や、灰や、礫が、ざわついているため、水の流れた