Japanische Klassiker mit Furigana
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ひゃくものがたり
山椒大夫・高瀬舟
Lesen Sie 山椒大夫・高瀬舟 (ひゃくものがたり) von Mori Ōgai (森 鴎外) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 45.466 Zeichen · 92 Bildschirme
僕も歯の歪んだ下駄を引き摩りながら、田の畔や生垣の間の道を歩いて、とうとう目的地に到着した。
ここまで来る道で、幾らも見たような、小さい屋敷である。高い生垣を繞らして、冠木門が立ててある。それを這入ると、向うに煤けたような古家の玄関が見えているが、そこまで行く間が、左右を外囲よりずっと低いかなめ垣で為切った道になっていて、長方形の花崗石が飛び飛びに敷いてある。僕に背中を見せて歩いていた、偶然の先導者はもう無事に玄関近くまで行っている頃、門と、玄関との中程で、左側のかなめ垣がとぎれている間から、お酌が二人手を引き合って、「こわかったわねえ」と、首を縮めてき合いながら出て来た。僕は「何があるのだい」と云ったが、二人は同時に僕の顔を不遠慮に見て、なんだ、知りもしない奴の癖にとでも云いたそうな、極く愛相のない表情をして、玄関の方へ行ってしまった。僕はふいと馬鹿げた事を考えた。昔の名君は一顰一笑を惜んだそうだが、こいつ等はもう只で笑わないだけの修行をしているなと思ったのである。そんな事を考えながら、格別今女の子のこわがった物の正体を確めたいと云う熱心もなく、垣のとぎれた所から、ちょっと横に這入って見た。