Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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たかせぶね

山椒大夫・高瀬舟他四篇

森 鴎外

Lesen Sie 山椒大夫・高瀬舟他四篇 (たかせぶね) von Mori Ōgai (森 鴎外) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 19.395 Zeichen · 40 Bildschirme

Aozora Bunko

いちの態度があまり平気なので、門番の男は急にささえとどめようともせずにいた。そしてしばらく三人の子供の玄関のほうへ進むのを、目をみはって見送っていたが、ようよう我れに帰って、「これこれ」と声をかけた。

「はい」と言って、いちはおとなしく立ち留まって振り返った。

「どこへゆくのだ。さっき帰れと言ったじゃないか。」

「そうおっしゃいましたが、わたくしどもはお願いを聞いていただくまでは、どうしても帰らないつもりでございます。」

「ふん。しぶといやつだな。とにかくそんな所へ行ってはいかん。こっちへ来い。」

子供たちは引き返して、門番の詰所へ来た。それと同時に玄関わきから、「なんだ、なんだ」と言って、二三人の詰衆が出て来て、子供たちを取り巻いた。いちはほとんどこうなるのを待ち構えていたように、そこにうずくまって、懐中から書付を出して、まっ先にいる与力の前にさしつけた。まつと長太郎ともいっしょにうずくまって礼をした。

書付を前へ出された与力は、それを受け取ったものか、どうしたものかと迷うらしく、黙っていちの顔を見おろしていた。

「お願いでございます」と、いちが言った。