Japanische Klassiker mit Furigana
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たかせぶね
山椒大夫・高瀬舟他四篇
Lesen Sie 山椒大夫・高瀬舟他四篇 (たかせぶね) von Mori Ōgai (森 鴎外) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 19.395 Zeichen · 40 Bildschirme
「ええ」と言ったが、男は容易にことばの意味を解しかねる様子であった。
いちはまた同じ事を言った。
男はようようわかったらしく、「お奉行様には子供が物を申し上げることはできない、親が出て来るがいい」と言った。
「いいえ、父はあしたおしおきになりますので、それについてお願いがございます。」
「なんだ。あしたおしおきになる。それじゃあ、お前は桂屋太郎兵衛の子か。」
「はい」といちが答えた。
「ふん」と言って、男は少し考えた。そして言った。「けしからん。子供までが上を恐れんと見える。お奉行様はお前たちにお会いはない。帰れ帰れ。」こう言って、窓を締めてしまった。
まつが姉に言った。「ねえさん、あんなにしかるから帰りましょう。」
いちは言った。「黙っておいで。しかられたって帰るのじゃありません。ねえさんのするとおりにしておいで。」こう言って、いちは門の前にしゃがんだ。まつと長太郎とはついてしゃがんだ。
三人の子供は門のあくのをだいぶ久しく待った。ようよう貫木をはずす音がして、門があいた。あけたのは、先に窓から顔を出した男である。
いちが先に立って門内に進み入ると、まつと長太郎とが後ろに続いた。