Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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やぎひげへんしゅうちょう

山羊髯編輯長

夢野 久作

Lesen Sie 山羊髯編輯長 (やぎひげへんしゅうちょう) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 51.441 Zeichen · 102 Bildschirme

Aozora Bunko

そうしてモウすっかり前非後悔しちゃったんです。これから一つ地道(じみち)になって働らいてみようと思いましてね……どんなボロ新聞社でもいいから……イヤナニその……何です……僕を買ってくれる人の下ならドンナ仕事でもいい……月給なんかイクラでもいい……やってみようと思ってお訪ねした訳なんですが……東京中の新聞社と警察と下宿屋連中にお構いを喰っちゃったんで行く処が無いんです……今年二十四なんですが……いかがでしょうか……」

そう云う吾輩の顔を山羊髯はマジリマジリと見ていた。吾輩が臓腑(はらわた)のドン底の屁(へ)ッ滓(かす)の出るところまで饒舌(しゃべ)り尽してしまっても、わかったのか、わからないのかマルッキリ見当が付かない。朝鮮渡来の木像じみた表情で、眼をショボショボさせながら、片手で吾輩の名刺をヒネクリまわしているキリである。

吾輩もその顔を見詰めて眼をショボショボさせた。真似をしたんじゃない。気味が悪くなって来たからだ。同時に中風病(ちゅうぶうや)みみたような椅子の上に、中腰になっている吾輩の両脚が痺(しび)れそうになって来た。汚れた名刺を取返して、諦らめて帰ろうかと思い思い、尻をモジモジさせていると、又も下ッ腹が大きな音を立ててグーグーと鳴った。