Japanische Klassiker mit Furigana
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あるおんなのしょうがい
嵐・ある女の生涯
島崎 藤村
Lesen Sie 嵐・ある女の生涯 (あるおんなのしょうがい) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 47.846 Zeichen · 96 Bildschirme
「御隠居さんの前ですが、この食堂は当りましたよ」と金太郎は力を入れて言った。「そりゃ日比谷辺へ行って御覧になると分りますが、震災このかた食物屋の出来ましたこと。何々食堂としたようなのが、雨降揚句の筍のように増えて来ています。しかし、そんな食堂とは食堂がちがいますよ――旦那も、先生も、これには大骨折りでした」
「こんなところに、こんな好い食堂があるかって、皆さんがよくそう仰って下さいますよ」とお力も言葉を添えた。
「これも、しょっちゅう御隠居さんのお噂ばかり」と金太郎はちょっとお力の方を見て、「この九月一日には、私共も集りまして、旦那に、先生に、それから私共夫婦と、四人で記念にビイルなぞを抜きました」
「大方そんなことだろうッて、浦和でもお噂していましたよ」とお三輪が言った。
「それがです、御隠居さん、旦那に祝って頂いたんじゃ私共が済みません。あんなにお力のやつもお世話さまになって置いて、七年もお店に御奉公させて置いて頂いて――その旦那がお酌しようと言って下さるじゃありませんか。オッと、それはいけません、今日は是非とも私に奢らせて下さいと言って、それから旦那や先生と御一緒にビイルを祝いました」