Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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あるおんなのしょうがい

嵐・ある女の生涯

島崎 藤村

Lesen Sie 嵐・ある女の生涯 (あるおんなのしょうがい) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 47.846 Zeichen · 96 Bildschirme

Aozora Bunko

今日はまあ休日で仕方がないとしても、明日は一つ腕を振いますかナ。久しぶりで何かうまいものをお母さんに御馳走しますかナ」

お三輪は椅子を離れて、木彫の扁額の掛けてある下へも行って見た。新七に言わせると、その額も広瀬さんがこの池の茶屋のために自分で書き自分で彫ったものであった。お三輪はまた、めずらしい酒の瓶が色彩として置いてあるような飾棚の前へも行って見た。そこにも広瀬さんの心はよく働いていた。食堂の片隅には植木鉢も置いてあって、青々とした蘭の葉が室内の空気に息づいているように見える。どことなく支那趣味の取り入れてあるところは、お三輪に取って、焼けない前の小竹の店を想い起させるようなものばかりであった。

その日は、お三輪はお力に案内されて料理場の内をもあちこちと見て廻った。お三輪もすこし疲れを覚えたが、お力夫婦がいろいろと取持ってくれるので、休ませて欲しいとは言い出せなかった。

「御隠居さん、お坐りになってはいかがです」

とお力が気をきかせると、早速金太郎は休茶屋の横手へ腰掛台を持ち出して、蓮池の望まれるところに席を造ってくれた。お力はお力で、座蒲団や煙草盆なぞをそこへ運んで来た。