Japanische Klassiker mit Furigana
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さこんのいかり
左近の怒り
Lesen Sie 左近の怒り (さこんのいかり) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 47.454 Zeichen · 95 Bildschirme
ところがその隠れ家には十数頭の猛犬がいるんです。夏川さんが逃げる時にその猛犬がワッと襲いかかって夏川さんを噛み殺してしまうんですよ。そして盗まれた何物かはそこから行方不明になってしまう。こういう手筈だったんです。そしてその紛失した何物かは改めて住田から汚職の容疑者の手に渡る。一億五千万の代金引き換えにね」
「どうしてボクに盗ませるのだね」
「だってバクダン・メモで公表したから住田の手に秘密書類の握られてるのが世間に知れ渡っているでしょう。それを単にヤミからヤミに葬れば、世間の疑惑がさっそく住田に集るじゃありませんか。さては金をもらって売り渡したなと感づかれるにきまってるからね。それを誰かに盗ませる。盗んだ男が殺されてしまえば、秘密書類が紛失しても共犯者が持って逃げたと思わせることができるでしょう。しかもだね。盗んで殺された犯人が夏川さんなら大竜出版の新入社員で一応住田の秘密に通じている筋も通るばかりでなく、夏川さんの身許がアイマイで共犯の見当だってつきやしませんよ。案外ボクなんぞが共犯に疑われるかも知れないね。あるいは夏川さんが汚職の容疑者の手先で、その目的のために社員となって大竜出版に入社したと解釈されるかも知れないでしょう。