Japanische Klassiker mit Furigana
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おおおとこのはなし
巨男の話
Lesen Sie 巨男の話 (おおおとこのはなし) von Niimi Nankichi (新美 南吉) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.832 Zeichen · 8 Bildschirme
帰りには、重い石をもっていたので、巨男は三十日かかってやっと都に到着しました。
苦しい長い旅のために、巨男はやつれはてて枯木のようになりました。しかしそれでもゆるされなかったんです。すぐその日から、宮庭の泉のほとりに、大理石で塔をたてることをおおせつかりました。けれど、心の美しい巨男は、けっしてなげいたり、悲しんだりしなかったのですよ。命ぜられた通り、毎日毎夜、つちとのみを持って、大理石を切り、それをだんだんつみかさねていきました。巨男は、仕事をしているときでもあの白鳥を背にとまらしていました。白鳥もおとなしくとまっていました。巨男は、つちをふりながらちょうど人間にいうように白鳥にいいました。
「お前は、いったいどうしたら涙を流すのか? お前はいつ涙を流すのか? お前は涙を流さなくては、いつまでたっても、お姫さまにはなれないのだよ、私はお前がかわいそうだ。だから早く美しいもとのお姫様にかえってくれ。」
そんなときには、白鳥は首をたれて巨男の話を聞いていましたが、涙を流したことはありませんでした。
巨男の仕事は、どんどん進んでいきました。夜ふけでも、つみ上げられた塔の上から、つちの音が都の空にひびきました。