Japanische Klassiker mit Furigana
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こうせつきょうほうずえ
巷説享保図絵・つづれ烏羽玉
林 不忘
Lesen Sie 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 365.120 Zeichen · 728 Bildschirme
そういうとき、お高の顔がよく見えると、惣七は、思わずぎょっとするくらいだ。それほど似ている。と、惣七は思うのだ。
いまもそう思って、彼は、お高のほうへ眼を見ひらいている。
「きょうは、あちこち手紙を書かねばならぬ。だいぶたまった。ひとつ頼もうか」
「はい」
「まず大阪屋へ書きましょう」
「はい」
「織り元から、この夏入れた品物の代を請求して来ているのだ。あそこはいつもこうです。毎年このごろに二、三本の催促状を書く。今度は、一本で済むように、すこし手きびしくいってやりましょう」
「はい」
惣七の冷たい声が、しばらく部屋に流れつづけた。巻き紙を走るお高の筆の音が、それを追う。
条理と礼儀をつくしたなかに、ちょいちょいすごさをのぞかせた文句が、お高の達筆によってきれいにまとめられた。
つづいて三つの手紙を片づけた。それぞれ文箱に納めて、あて名を書いた紙をはり、使いのものに持たせてやるばかりにする。
「それから」と、惣七がいいかけていた。「最後に、こんな馬鹿げたのを一つ書いてもらおう。筆ついでだ。いや、着物を買い過ぎて、呉服屋へ借金のかさんだ女へ、その呉服屋に代わって、払いの強談を持ちこんでやるのだが、愚かな女だ。