Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
こうせつきょうほうずえ
巷説享保図絵・つづれ烏羽玉
林 不忘
Lesen Sie 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 365.120 Zeichen · 728 Bildschirme
お高は、金剛寺坂の家を住みやすいと思っている。仕事は多いが、多すぎるというほどでもない。その大部分は、惣七のことばを書き取って、手紙にすることだ。もともと、惣七は眼が悪いので、この手紙の代書をするために、雇われて来ているのである。
はじめは気の変わりやすい、怒りっぽい惣七の口書きをすることは、大変な仕事だったが、それも、慣れてしまうと、このごろのように楽なものになって来た。惣七の声が、お高の耳から飛びこんできて、手をうごかし、手紙を書かせるのだ。お高は、いわば道具のようなものだ。
手を動かしながら、頭ではほかのことを考えている場合が多い。お高は、自分だけの夢を持ちはじめたのだ。お高の眼が、うっとりとした色を帯び出したのは、そのためだろう。お高は、惣七を愛し出しているのだ。ぶっきらぼうな、味もそっけもない、眼が悪いためにしじゅういらいらしている惣七である。
彼は、お高をどう思っているか。おどろいている。むかし、自分の心をとらえて、まだ離さないでいるあの女に、お高があまり似ているのに驚いているのだ。どうかした拍子に、人の顔などははっきり見えることがある。