Japanische Klassiker mit Furigana
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こうせつきょうほうずえ
巷説享保図絵・つづれ烏羽玉
林 不忘
Lesen Sie 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 365.120 Zeichen · 728 Bildschirme
「お駒さんは、気が顛倒していらっしゃるのですよ。かわいそうに、誰でもあんなことをいわれれば、気が顛倒しますよ。お駒さんも磯屋さんも、気にかけないでくださいましよ。あのお民さんという人は、口がわるいのが病で、人にいやがられているのでございますからねえ、わたしからこんなにあやまっているのでございますから――」
おせい様は、磯五のきげんを直そうとして、おろおろ声だ。磯五といっしょに、お駒のせなかをさすって、抱き起こした。お駒は、たもとで顔を隠していた。憤然とさきに立って部屋を出ながら、磯五がおせい様にいやみをいっていた。
「おかげで、いい恥をかきましたよ。人の妹をつかまえて下女奉公に出たことがあるの、おまけにぬすっとうを働いたの何のと、あの吉田屋のお内儀には、いずれとっくりこの返礼をするつもりです」
どなるような大声だから、おせい様はいっそうみじめに狼狽して、まだ泣きじゃくっているお駒を抱かんばかりにして玄関まで送り出た。履物をはきながら、磯五がいった。
「いたって気の弱い娘ですから、ああいうひどいことをいわれると、こたえます」
「そうでございますよ」おせい様は、男の気を直そうと、一生懸命だ。