Japanische Klassiker mit Furigana
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こうせつきょうほうずえ
巷説享保図絵・つづれ烏羽玉
林 不忘
Lesen Sie 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 365.120 Zeichen · 728 Bildschirme
磯五は、ひとごとのようにいうお駒ちゃんの顔を、横眼ににらんで、ならんであるいた。おしろい焼けのしたお駒ちゃんの顔は、ことに頸のあたりが、ひどくすさんで見えるのだ。こいつを妹に仕立てたのはてんから間違いであったかなと、磯五は思った。そう思って、うなだれて、考えこんで行くと、身幅をせまく仕立てたお駒ちゃんの裾から、無遠慮に歩くお駒ちゃんの白い脚が、ほらりほらりと見えるのだ。
磯五はおせい様のことも、お高のことも、いまの厄介な問題もどうにかなるであろうと思った。下素な笑いが、磯五の顔にひろがりかけていた。その笑いを、お駒ちゃんが見つけた。
「ほんとに、おかしいったらありゃしないよ。でも、底が割れそうで、お前さん心配じゃないかい」
「なに、心配することはねえのさ。だが、あのとき泣くなんざあ、てめえが馬鹿だ」
「あれ、誰も泣きはしないよ。笑っていたのだよ」
「なおいけねえや」
「だって、おかしいじゃないか。あの、吉田屋のお婆さんのあきれ顔を見たら、あたしゃどうにもがまんができなくて、ふきだしてしまったのだもの」
「殊勝らしく、泣いているように見えたから、いいようなものの、それが、てめえのかるはずみというものだ」