Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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こうせつきょうほうずえ

巷説享保図絵・つづれ烏羽玉

林 不忘

Lesen Sie 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 365.120 Zeichen · 728 Bildschirme

Aozora Bunko

龍造寺主計は、もう若松屋惣七に会う必要がなくなったから、待たなくともいいといったが、どこへも行くところがないので、お高の厚意で、若松屋方へ泊まることになった。お高は、佐吉に命じて、龍造寺主計のために、離室に床をとらせた。

佐吉に、龍造寺主計のめんどうをみさしておいて、じぶんは、居間へ帰った。しばらく起きていて、若松屋惣七のかえりを待ってみたが、帰りそうもないので、寝る支度をはじめた。

するりと着物を脱いだところへ、ふすまがあいたので、お高は、びっくりした。着物を前へかけて、その場へしゃがんだ。それは佐吉であった。佐吉は、白い肩を見せてすくんでいるお高を見ると、あわてて襖をしめた。

「何ですよ。そこでいってくださいよ」

佐吉は、外でいった。

「離室のお客さんが、御酒を所望なすっていられるのです。宿をするぐれえなら、寝酒はつきものだとおっしゃるので」

「そうですよ」お高は、おかしかった。「出して上げてくださいよ」

佐吉の跫音が遠ざかってゆくと、まもなく、ひとりで酒をくみながら唄うらしい、龍造寺主計の声が、庭のやみに漂って聞こえてきた。

「きんらい酒にあてられて――」