Japanische Klassiker mit Furigana
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こうせつきょうほうずえ
巷説享保図絵・つづれ烏羽玉
林 不忘
Lesen Sie 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 365.120 Zeichen · 728 Bildschirme
お高は、床のなかで、小さな声をたてて笑った。
お高は、金策に出たきり帰らない、若松屋惣七のことを考えて、眠れなかった。じぶんの考えたことが、すべて失敗に終わったことも、思い出された。おせい様に、ほんとうの磯五を見せようとして、だめだったこと。若松屋惣七様からお金を取り立てることをよさせようとして、よさせられないこと。磯五に、ひとりでぶつかってもみたが、何にもならなかったこと。それからそれと、あたまが、冴えていった。
早く起きた。おっくうに思いながら、身じまいをすました。滝蔵が、膳を持ってきたが、箸をとる気になれなかった。
「旦那さまは?」
「ゆうべおそくお帰りになって、奥でおやすみですよ」
「あれ、なぜわたしを起こしてくださらなかったのだろうねえ」
「此室をのぞいていなすったが、あまりよく眠ているとおっしゃって、奥へ通られて、すぐお寝なされたのですよ」
「いやですねえ。どんなに眠っていても、起きたのにねえ」
いってから、お高は、赧い顔をした。佐吉も、ちょっと笑った。お高は、もうたち上がって、部屋を出かかっていた。
「まだお眼ざめではないでしょうけれど、ちょっといってみましょうよ」