Japanische Klassiker mit Furigana
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こうせつきょうほうずえ
巷説享保図絵・つづれ烏羽玉
林 不忘
Lesen Sie 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 365.120 Zeichen · 728 Bildschirme
いい家へ奉公をして、御主人様の、気に入られてみねえ、それこそ、面白おかしく日が送れて、またどんないい目をみねえものでもねえ。出世をして、人を使う身になってみたけりゃあ、そこは心がけ一つで思いがけねえ出世をしねえとも限らねえ。
そこへいくと、ことに女子は、野郎とは違って、大きに芽を吹くことも早けりゃあ、そのためしも、世間にままあるのだ。おんな氏なくして玉の輿に乗るたあ、そこんところをいったもんだろうじゃあねえか。いい引きがあって、やっと住み込ませてやったあの藁店の吉田屋さん、あれはおめえ、どうして出たのだ」
久助の話を聞いていると、下女奉公がこの世でいちばんやり甲斐のある仕事であり、出世の最好機会のように聞こえるのだ。お駒ちゃんはそれがおかしくってしようがなかったが、また、お父つぁんとしては、むりもないことだと思った。
自分でもいっているとおり、久助は世の中の人間をかっきり上下に二大別して、じぶんたちはその下のほうに属するもの、そしてこの区別と所属は絶対不可変のものときめて考えているのだった。それは、使用人の家として続いてきていて、いまこの久助の体内に流れている血のことばであった。