Japanische Klassiker mit Furigana
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こうせつきょうほうずえ
巷説享保図絵・つづれ烏羽玉
林 不忘
Lesen Sie 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 365.120 Zeichen · 728 Bildschirme
そして、遠くないところに磯五がいると思うと、お高は、胸がわるくなるように感じて、すぐに国平を促して帰りたかった。
が、そうもいかなかった。お高は、国平が眠っているあいだ、そこらを歩いてくることにしてその庄之助さんの家を出た。人と話しながら、あたまの中でほかのことを考えるよりも、お高は野路でも一人でたどって考えたいことを考えたかった。何よりも、その甘美な空気を吸って、思い切って巷を出て来た目的を存分に果たしたかった。
お高は畑の畦に雑草のはえている道を通って、御鷹部屋御用屋敷のある一囲いのほうへ歩いて行った。そこらはもう畑といってもだんだん藪つづきになっていて、人に踏まれて草の倒れているあとが一すじに黒く延びているだけで、進むにしたがって両側の灌木のせいが高くなって、お高はまるで森の奥へ迷いこんだような恰好になってしまった。日光が白く降り注いで、かすかな風が渡ると、木の枝を離れて虫のむれが飛び立つのが見えた。
お高は、引っ返したかったけれど、引っ返すよりは先へ行ったほうが早く街道筋へ出られるであろうと思って、そのまま進んで行った。お高は、蛇が出てきはしないかと思ってこわかった。