Japanische Klassiker mit Furigana
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こうせつきょうほうずえ
巷説享保図絵・つづれ烏羽玉
林 不忘
Lesen Sie 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 365.120 Zeichen · 728 Bildschirme
茶坊主あがりのならず者磯屋五兵衛も、さすがにうす気味わるくなったものか、なぐっていた手を引っこめて、あきれたように、惣七を見た。
惣七は、にこにこしていた。磯五は、泣きくずれているお高を引っ立てて、早々に帰ろうとしていた。彼は、惣七とお高のまえに嘘八百をならべたものの、じつは、女房の高音と知りつつ二百五十両を取り立ててもらうつもりで、なおよく頼み込みに自分で若松屋へ出かけて来たのだが、そこで思いがけなく高音のお高に会って、引っこみがつかなくなり、証文を棒に振ったくやしまぎれに、間男をいい立てて惣七をなぐったのだ。
彼は、これを種に、いずれ若松屋をいたぶるつもりでいるのだが、今は、いくらなぐっても、相手が平気に澄ましているから、始末がわるい。一つどうんと惣七を蹴倒しておいて、お高を促して部屋を出ようとした。
お高は、泣いて、惣七に取りすがっていた。
「旦那さま、ああいう乱暴者でございます。わたくしのことから、とんだめにおあわせ申して――何か話があるから、店へ来るようにとか申しております。ちょっと行って参ります」
「ああ行きなさい」若松屋惣七は、何ごともなかったように、けろりとしていた。